はじめての振袖

My first Furisode

花うさぎがお勧めする振袖

2023-03-22

はじめての振袖選びは、分からないことも多く不安になると思います。着物に慣れていない方は、価格の差に驚かれることもあるでしょう。振袖の素材や柄の染め方などが全く異なりながら、同じ振袖として並べられているのは不思議ですよね。

振袖は適切なお手入れや保管方法を守ることで長く着ることができます。染め直しや仕立て直しをしながら、世代を超えて愛用されている方も多くいらっしゃいます。振袖を長く着るためには購入時の選び方が大事です。花うさぎがおすすめするポイントを解説いたしますので、ご参考いただき、違いを見極め、ご自身にぴったりの振袖を見つけましょう。

「正絹」をお勧めします。

振袖の素材は主に正絹(しょうけん)とポリエステルがあります。おすすめはなんといっても正絹です。実際に体に当ててみるとよくわかります。どんなにポリエステルなど化学繊維の技術が進歩しても、絹のなめらかな肌ざわりにかなうことはありません。

絹は蚕の繭からとれる天然繊維で、繭から生糸を取り、撚り(※)をかけ絹糸にします。絹糸を経糸、横糸にして織り上げたものが絹織物です。その発色の鮮やかさや通気性のよさが絹の魅力でしょう。正絹の着物はしなやかで手触りがよく、高級感があります。絹の繊維は断面が三角形のため絹鳴りがする、角度によって見え方(光の当たり方)が変わるなどの特徴があります。

※撚り(えり):繊維の束をねじること。

着付けたとき体に沿い、しなやかで美しいのは絹ならではのすばらしさですね。また、なめらかですべりが良くなおかつ着崩れしにくいのも絹の特徴です。実際にご来店いただき、絹の手触りや肌ざわりを体感してください。試着されるとその心地よさに、絹織物が根強い人気で愛され続ける理由がわかります。

  • 正絹

    振袖

    上品な光沢や、きめ細かさが正絹の特徴です。繊維の断面が三角形のため、角度によって見え方(光の当たり方)が変わります。極上の肌触り、着心地、通気性など、店頭で体験してください。

  • ポリエステル

    ポリエステル

    ポリエステルの着物は、絹と比べて耐久性に優れ、速乾性が高いです。その一番の特徴は買い求めやすい価格ですが、最近では技術が進んで、正絹と見紛うほど高品質で高額なものも増えています。

「染め」をお勧めします。

振袖は昔ながらの手描き染めや型染めなどの「染め」の着物をおすすめします。最近多いのはインクジェットで染めるデジタル染めといわれる染め方です。少し前までインクジェットはポリエステルが多かったのですが、最近は絹にもインクジェットでプリントされるようになりました。

ポリエステルのペラペラした感触が苦手な方も多いでしょう。インクジェットに使われる絹も厚みが乏しく、手触りが違うことが多いようです。絹の風合いを魅力に感じている方にはやはり染めの着物をおすすめします。

友禅(ゆうぜん)

友禅

染めの着物と聞いて思い浮かぶのはやはり友禅でしょう。友禅には手描き友禅と型友禅があります。手描き友禅といえば京友禅、加賀友禅が有名です。

手描き友禅の京友禅は、扇絵師の宮崎友禅斎が元祖といわれています。糸目糊を開発し華やかな手描き友禅を実現した人物です。その後、宮崎友禅斎は金沢へ移り住み加賀友禅に影響を及ぼしたといわれています。花鳥風月を図案的に表す京友禅、自然の草花を写実的に描く加賀友禅。どちらも華やかで美しく装える振袖がそろっています。

型友禅は型紙を使用し、多彩な色で染める方法です。型紙を使って染めるため、手描き友禅より工数が簡素といわれています。しかし、色数分の型紙を使いひとつひとつ丁寧に型染めしていくため繊細な技術といえるでしょう。手描き友禅よりも安価で多くの枚数を染められるとはいえ、色の濃淡まで精緻な型友禅は日本人ならではの技ですね。

琉球紅型(りゅうきゅうびんがた)

琉球紅型

琉球王朝で発達した琉球紅型。王家のみが着用を許された高貴な着物です。

日本の友禅、中国の切り花布、南方の更紗などの影響を受け作られています。色数分の型紙を使う型友禅と違い、紅型は1枚の型紙でさまざまな色を染めているそうです。南国ならではの豊かな色彩は顔料や植物染料で表現しています。

辻が花(つじがはな)

辻が花

室町時代に生まれた辻が花は墨絵と絞りの簡素な着物だったそうです。武将の陣羽織などにも利用されていたそうですが、技術を継承できなくなり一度は姿を消しました。幻の染色といわれた辻が花は昭和になり試行錯誤の末、色彩豊かに豪華な着物として生まれ変わりました。絞り染めの立体感と友禅技法で、豪華かつ繊細な絵柄の辻が花。その華やかさは振袖など正装用の着物にぴったりです。

絞り(しぼり)

絞り

鹿の子絞り、疋田絞り、京極絞りなどで知られる絞り染め。絞り染めは布を糸でひと粒ずつ括りつけて染めます。時間と手をかけて丁寧に作られた贅沢品のため、大奥で禁止令が出たともいわれています。やわらかい風合い、やさしい色合いで華やかな装いが楽しめる振袖です。絞りが伸びないように薄い裏打ち布が付けられていて、仕立てにも熟練の技が必要になります。

お誂え(フルオーダー)をお勧めします。

「お誂え(おあつらえ)」は白生地に柄や色を染めることからはじまります。色や柄を自由に選び、自分だけの振袖を作りましょう。お誂えの場合、まずは地色を選びます。お顔映りの良い色を選びましょう。次に柄を決めます。振袖は正礼装のため、格式の高い場所に着ていけるような柄を選ぶといいでしょう。

着物は仕立て直しができるため、立場に合わせた着物へと変化させることが可能です。お誂えではあらかじめ訪問着に仕立て直すことを想定して柄を染められます。振袖を訪問着にしたり、結婚式用の引き振袖にしたり仕立て直しても不自然な柄にはなりません。

かつては袖をカットして振袖から訪問着へと仕立て直していましたが、最近では袖を切らずに訪問着に仕立てることもできます。お誂えで振袖をオーダーすることで、訪問着や引き振袖にお直ししても柄が不自然にならずきれいなままです。

最近は絹の振袖もミシンで仕立てていることがあります。ミシンを使用した振袖は縫い目に針の跡が目立ち、仕立て直しが困難です。手縫いで仕立てた場合、細い針を使用するためお直しのときにも針の跡が目立ちにくくなります。

縫い糸と布地のつり合いがとれているため、引きつることがなく着心地も違います。すべて手縫いで仕立てた場合、後に仕立て直しても新品と見紛う仕立て上がりになります。好きな色や柄で仕立てられた振袖は、愛着がわき長く楽しめます。

お母様がご使用になられた振袖をリメイク

近年は「ママ振り」の人気も高まっています。ママ振りとは、お母様が着られていた振袖をお嬢様用にお直しして着る振袖のことです。お母様がお持ちの振袖が作られていたころは、まだ技術をもった職人が多く質の良い着物が多くありました。

上質な振袖は時が経っても色があせることなく、古臭さを感じさせません。お母様とサイズがちがう、似合う色が異なるなど気になる場合はリメイクしてみましょう。色や柄などを染め直したり、お嬢様の寸法に合わせて仕立て直したりできます。

長年の保管で変色した胴裏(どううら)、傷みがみられる八掛(はっかけ)などは取り換えることで新品同様によみがえります。足りないもの、これからそろえるものなどがわからなくても大丈夫です。和装についての知識がなくても、花うさぎがフォローいたします。

花うさぎがおすすめする振袖は正絹で丁寧な染めのためお高めです。しかし、大切にお手入れし適切に保管することで世代を超えて長く着用できます。振袖は袖を切らずに訪問着に仕立て直した場合、またご自身のお嬢様にママ振りとして着用できます。そのときどきに合わせて着たい着物にお直しできるのはうれしいですね。

世代を超えて楽しめる振袖に出会うために

正絹で正しく仕立てられた振袖は、こまめにお手入れすることで長い期間きれいに着られます。お気に入りの染め方で、好きな色や好きな柄の振袖は飽きることなく着続けられるでしょう。お誂えの着物は年を重ねたときに染め直したり、仕立て直したりといつまでも楽しめます。質の良い振袖はまた次の世代へと受け継がれていくでしょう。世界にたったひとつの私だけの振袖を手に入れてくださいね。

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