はじめての振袖

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振袖の選び方

2023-03-14

初めての振袖選びは何かと不安に感じることもあるでしょう。
素材や染め方、仕立て方などには着物初心者の方にはなじみのない言葉も多くあります。
今回は振袖を購入するときに着目する点を説明します。選び方の参考にしてみてください。

着物の購入方法

着物は次の3パターンで販売されていることがほとんどです。

  • パターン1

    仕立て上がり 既製品

  • パターン2

    仮絵羽 セミオーダー

  • パターン3

    お誂え フルオーダー

パターン1

「仕立て上がり 既製品」を買う

「仕立て上がり」は洋服のように一般的なサイズに合わせて仕立てた既製品のことです。
通常、着物は着る人に合わせた寸法で仕立てます。
既製品は仕立てに出す時間が短縮され、購入してすぐに着られるという利点があります。
仕立て上がりの着物のサイズが合わない場合はサイズ直しも可能です。
大幅なサイズ直しは仕立て直しになることもあるため、できるだけ近いサイズの着物を購入しましょう。

パターン2

「仮絵羽(セミオーダー)」を買う

「仮絵羽」は身頃や袖などの柄がつながるように仮縫いしてあります。
反物で販売されていることもありますが、柄の位置が決まっているため各パーツは裁断されています。
仮絵羽は自分の寸法に合わせて仕立てられ、体型にあった着物です。
標準的な体型の方は柄がきれいに出ますが、体型によっては柄のバランスが変わってくるため注意しましょう。

パターン3

「お誂え(フルオーダー)」を買う

「お誂え」は白生地を好きな色に染めたり、柄をつけたりします。
柄付けからオーダーできるため、柄がぴったり合った自分サイズの着物です。
好みの柄や色を選べるため、顔映りがよく一点ものの着物になります。
他の人とかぶることがないため、成人式など振袖を着た人が多く集まる場でも安心です。

レンタルはどの状態のものを借りる?

レンタルでは着付けに必要な小物や草履やバッグなどフルセットがそろっているものがあります。
初めて着物を着るときは着付けに必要な小物がそろってないこともあるでしょう。
必要な小物がすべてそろったフルセットのレンタルが便利です。

また、振袖購入のための試着としてレンタルするのも手です。似合う色や柄を詳しく知ることができるため、スムーズに購入できます。
リハーサルとして着てみると着付けに必要な小物がわかり、成人式の本番であわてることもなく安心です。

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「色」「格」「予算」で選ぶ

振袖を購入するとき参考にしたい選び方は他にもあります。
好きな色や似合う色、着ていく場所に合わせる格、予算などをもとに選ぶ方法です。

振袖を選ぶときは気になる色や柄をピックアップしてから試着をしてみましょう。
実際に当ててみると似合う色や柄がわかります。似合う色を見つけるにはパーソナルカラー診断も有効です。
今はインターネットで簡単に診断できるサイトがあります。似合う色をチェックして試着してみましょう。
また、骨格診断も色や柄を決める参考になります。骨格の他、身長や体型も考慮して似合う色や柄を選びましょう。

振袖は未婚女性の第一礼装で最も格が高い着物です。
振袖には大振袖、中振袖、小振袖があり、それぞれ袖の長さにより格が違います。
大振袖は婚礼衣装に着られる最も格が高い振袖です。小振袖は袴と着用し振袖の中でも格が下になります。

吉祥文様など古典柄は格が高く、ファッション性が高いモダンな柄は格が下になります。
また手描き友禅が格上、絞りや紅型は格が下になります。素材でも格が違い、正絹はポリエステルより格上です。
振袖の中でも格の違いがありますが、近年では厳しいルールが少なくなってきています。

予算

振袖の価格帯には幅があり、染め方や素材により異なります。
インクジェットのプリントは比較的安価で、手描き友禅や辻が花などの作家物は高価です。

また正絹の着物や人気のブランドは価格が高めになり、ポリエステルなどはお手頃価格でそろっています。
振袖に合わせる袋帯の価格もさまざまです。小物などの価格も幅があるため、すべて合わせた予算を考えましょう。

素材で選ぶ

振袖の素材には正絹とポリエステルがあります。
それぞれの特徴をふまえライフスタイルに合わせて選びましょう。

正絹(しょうけん)とポリエステルの違い

振袖の素材は正絹が主流でしたが、最近ではポリエステルの振袖も多くそろっています。
価格に差があるだけでなく、お手入れや保管方法も異なります。肌触りや発色など、それぞれの特徴をみていきましょう。

通気性と肌ざわりの正絹。本物志向に根強い人気

正絹は蚕の繭から作られた天然の素材です。
しなやかで肌への当たりがやわらかいため着物の素材の中でも人気があります。
絹独特のツヤが高級感を醸し出しているともいえますね。
通気性や吸湿性がよく、汗をかいても肌に貼りつくような不快さはありません。
四季を通して着心地よく、その違いは大きく感じられるでしょう。
ただ、染みになりやすい、カビが生えるなどお手入れには気を付ける必要があります。
自宅で洗濯ができないため、汚れたときは専門のクリーニングに出さなければなりません。
また、紫外線に弱い、保管中に虫が付きやすいなどの注意も必要です。

断熱性の高いポリエステル。取り扱いが簡単。

ポリエステルは石油から作られる化学繊維で、洋服にもよく使われている素材です。
お手入れが簡単で洗濯も自宅でできるため、気軽に着ることができます。
ポリエステルの振袖はツルツルとした肌触りで軽いのが特徴です。
すべりが良いため着崩れの心配がありますが、正絹の帯を締めるなど工夫すればきれいに着付けができます。
一昔前まではポリエステルの着物は薄くて手触りが悪いと言われていました。
最近では技術も発達し高級感があり、発色もよく生地が強いため多く流通しています。
虫食いの心配がなく比較的安価で手に入ることから、気軽に着物を着たいという方には人気です。

正絹が高くて、ポリエステルが安いのは昔の話です。

発色がきれいで柄もはっきりと出やすいため、ポリエステルを選ぶ人も多くなっています。
最近では正絹の肌触りに負けないような質のよいポリエステルも出てきています。
あまり着物を着ない方ではすぐに違いがわからないほどです。
ポリエステルは発色の良さを生かして現代風のモダンな柄が多く出ています。
ブランドとコラボしている振袖は正絹より高価なものもあります。

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染め方で選ぶ

振袖の染め方には手描き染め、型染、インクジェットなどさまざまな方法があります。

昔ながらの手描き/染め vs インクジェット

手描き染めには手描き友禅や手描き更紗などがあります。
友禅染には手描き友禅、型友禅があります。友禅といえば京友禅、加賀友禅などが有名ですね。
その他の染め方には絞りや辻が花、琉球紅型(りゅうきゅうびんがた)などがあります。

最近はデジタル染めとよばれるインクジェットプリントがあります。
色の深みなどは手描き染めや型染めなど昔からの技法が優れています。
しかし、自由なデザインなどで華やかな色をはっきり出すにはインクジェットの方が向いています。

今どきの振袖は6割以上がインクジェットって本当?

最近はインクジェットでプリントされている振袖が増えてきています。
ファッション性の高い振袖が多くなり、安価なインクジェットがよく購入されています。
かつてインクジェットのプリントは生地が薄くペラペラで不評でした。
近年では技術も発達し、一見するだけではインクジェットかどうかがわからないことがあります。
また、以前はポリエステルのみでしたが、最近は正絹にインクジェットプリントしてある振袖も出てきました。

「着物は高価なもの」が一般的だった頃は、手に入れることをあきらめていた方も多いでしょう。
しかし、デジタル染めの着物が気軽に購入できるようになり、着物が身近になりつつあります。
成人式や初詣などはファッションとして振袖を着て楽しみましょう。
結婚式や式典などフォーマルな場には昔ながらの手描き染めなど格上の振袖を着るといいですね。
選択肢が増え、TPOに合わせた着こなしができるようになりそうです。

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まとめ

振袖の選び方にはさまざまな方法があります。
仕立て上がりよりもフルオーダーは自由度があがり、ポリエステルのインクジェットよりも正絹の振袖は着る機会が多くなります。
ライフスタイルに合わせて選び方を考えてみてくださいね。

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